実はシビアな桃太郎

「それでは、行ってまいります！」
桃太郎の目に泪はなかった。
見送る年老いた夫婦の目にも泪はなかった。
たった一人の少年に課せられた絶望的な使命…
時代はその少年に平穏に生きることを許さなかった。
彼とても苦悩がなかったわけではなかろう。
時代を呪い、父母を呪い、運命を呪い、神を呪った日々もあった。
しかし悩み苦しんだその先にある場所で彼が手に入れたものは、
まるで雲間の青空のような高く深い心
―気高い覚悟
あなた方はこれを狂気と言うだろうか？
確かに狂気かもしれない。
しかし今、彼はその心ときびだんごだけを友なる道連れとし、
暗黒と絶望に向けて足を踏み出したのだ。



桃太郎さん、マジぱねぇっす。